二階の住人
イースターを挟んだ週末。
二階が随分静かだったので、おそらく帰省したりしていたのだろうけれど。
今日になって聞こえる、足音。
自分の床下に人が生活している、
そういう事実は脳裏をよぎりもしないんだろうな。
そういう音だ。
遅くに起きて、台所に立ちゆっくりコーヒーを入れていると
ふわりと香る、焼きたてのパンの匂い。
階下がBread barなのだ。
それもインド系の。
心が落ち着くシンプルな部屋。
観葉植物の青々とした葉。
窓から入る太陽の光。
上の住人の足音が思考を邪魔しても、
やはりお釣りがくるほどの住居条件だ。
思い直してカモミール茶を飲み干す午後。
ダーンッ!!!!ガタッ!!!
ああ。出てってくれないかな。