19-07

忙しき夜勤。

 

アルコール性膵炎の29歳男性。

ウイスキーボトルを1日おきに空にする、という飲酒常用者。

まだ若いのにな。

脈拍は180で、血圧が100を切っていた。

ラリーのことを思い出した。「最大限のCompensation」をしている。

ひっきりなしに吐血。

このまま行くと、さらに重症化して、死んでしまう。

アグレッシブな補液と、バイタルのモニタリング。

まさにクリティカルケアが必要な患者。

膀胱留置に、輸液の管理。

わかりずらくて混乱しそうになったが、なんとか上へ送る。

マリウス医師が相変わらず、優柔不断で煮え切らないので、結構きつく言う。

 

87歳、脳梗塞。

まだタイムラインの中に居たので、抗血栓溶解薬の投与対象だったが、

突如、症状が軽減する。

動かせなかった、左半身に力が戻り始める。

薬を使わず、経過観察入院となる。

 

そして、10歳の女の子の上室性頻脈。SVT。

午後2時から続いていたらしく、トロポーニンも上昇していた。

昨日、マーギーについて学んだアデノシンのラピッドプッシュを実践。

見事にSinus Rhythmに戻る。

しかしなー。今後のことを考えると不安が残る。

まだ10歳の心臓。

 

60代のSOBの患者。

所見はそんなに不安はなかったが。

とにかく、医療システム自体に批判的で、かなり攻撃的な患者だった。

けれども。結局なんだかんだ言っても、立場が弱いのは患者の方だ。

具合が悪くなった場合は、救急に戻るように指示。

(本人は、ファミリードクターが気に入らなくて(というか通うには遠すぎたってことなんだろうけど)ファミリードクターから三行半を突きつけられた。)

 

そして、息をつく暇もなく、1型糖尿病の19歳。

私、結構救急隊員に嫌な態度をとったかも。

もうね。疲れすぎて、態度が悪くなる自分を抑えきれなかった。

到着時、酒を浴びるほど飲んで泥酔。近所の短大の学生。週末パーティーが原因。

ひっきりなしに嘔吐。GCS9。

無呼吸も出始めて、酸素飽和濃度が一気に下がる。67%。

経鼻エアウェイを入れて、100%酸素吸入。

これだけでも、かなり呼吸を上手に管理できると学ぶ。

高血糖47。ケトン体陽性、血中の乳酸濃度も高く、代謝性アシドーシス。

糖尿病性ケトアシドーシスと診断。

当初のカリウムの値も低く、アグレッシブにカリウムの補正をする必要もあった。

でもこの日の非常勤医師が優秀で、朝までには、血糖もかなり下がって、

GCS15まで持ち直す。

もう一度、小児の糖尿病性ケトアシドーシスの対象年齢を確認しておく。

しかし、綺麗な顔した男の子。

まるで王子様のような風貌をしていた。

だがこの王子、糖尿病の管理に関しては、かなり問題児らしく。

母親の話によれば、過去に何度もケトアシドーシスで入院したことがあるらしい。

インスリンポンプを装着していたが、これも「ないよりマシ」という最後の手段だったらしい。

まあ、回復が早くてよかったよ。

 

で、落ち着いたところで、救急車3台次々に到着。

どれも軽症。プラス、救急に来院の患者さま4−5人。

結局、8時間の間に25名ほど診た、と非常勤医師。

シャワー浴びて帰る。

帰路、歩きながら寝そうだった。